事件の概要
2024年7月5日、神戸市内の企業(企業名非公開)が製造したミネラルウォーターから健康への影響が懸念される有機フッ素化合物、PFAS(ピーファス)が検出されていたことが明らかになりました。食品衛生法上の基準はないものの、水道法の暫定目標値である1リットルあたり50ナノグラムの最大約6倍に相当する濃度が確認されました。市の要請により、企業側は対応し、現在は目標値以下に収まっています。
PFASとは何か
PFAS(ペルフルオロアルキル物質)は、人造の有機化合物で、撥水・撥油性が高く、食品包装、調理器具、防水衣料などに広く使用されています。しかし、環境中で分解されにくく、生物体内に蓄積しやすいため、健康への影響が懸念されています。特に、発がん性や内分泌かく乱作用などのリスクが指摘されています。
企業と市の対応、企業名の公表について
2022年12月、神戸市のミネラルウォーターから水道法の暫定目標値を超えるPFASが検出されたことが厚生労働省から報告されました。市は企業に対応を要請し、企業側はPFASを除去する活性炭フィルターを設置しました。2023年1月と6月に実施された検査では、1リットルあたり94~310ナノグラムのPFASが検出されましたが、同年12月の検査では目標値以下に改善されました。企業名は現在公表されていません。今後の続報をお待ちください。
今後の課題と対策
現行の水道法では、PFASに関する規制は暫定目標値に留まっています。また、ミネラルウォーターに関する食品衛生法上の基準も存在しないため、健康リスクの管理が難しい状況です。市健康局の丸尾登・生活衛生担当部長は、科学的根拠に基づく基準の早急な制定を国に求めています。これにより、市や企業がより効果的に対応できるようになると期待されています。
まとめ
今回の神戸市内でのPFAS検出問題は、環境汚染物質が人々の健康に及ぼすリスクを再認識させるものでした。市と企業の迅速な対応により、現在は安全性が確保されていますが、今後の課題として、明確な基準の設定と持続的な監視が求められます。市民の安全と健康を守るためには、科学的根拠に基づく適切な対策が不可欠です。
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